ちょっと岡崎まで
十数年前に岡崎市小針町に半年程住んでいたことがある。ここを去った当時は、二度と来ることもあるまいと思っていた。住んでいた場所も忘れかけていた。
この当時に買ったCDを聞いているときに、ふとその頃を思い出し、どうなっているのかすごく気になり始めた。記憶と地図を頼りにおおよその場所を探して行ってみることにした。

住んでいた場所のほか、もう一箇所どうしても見ておきたかったのが、よく文庫本(SF)を買いに行った近くの書店。
そして、書店も当時のままだった。平屋建ての、入り口の前にはこんもりした木が1本立っていて、根元にはベンチが置いてある。変わらぬ光景を見て、今にいたる十数年の流れが一瞬で頭をよぎった。

そのCDは遊佐未森のアルバム”アカシア”で、これを聞きながら読んでいたのがリングワールドだ。


当時は今と違って車で走り回ることは好きだったが、どこかをゆっくり見るという習慣がなく、岡崎公園に来ることはなかった。
(岡崎城は耐震工事のため、中には入れなかった。)
なにかが実っていた。
枯れ草色の中、ここだけがモノクロームのなかに忽然とあらわれたカラー映像のような感じだ。

かすんだ記憶のなか、すこしだけ残る鮮明な記憶を思い出していた。