過去2度にわたるタウシュベツ橋梁の訪問は失敗に終わっている。
    さらに3度目の挑戦である2013年2月3日も失敗に終わってしまった。
    そして4度目となる3月11日、ようやくタウシュベツ橋梁を眼下に納めることができたのである。
2013-02-03(日) 失敗編
    
    
        2010年にチャレンジしたときと同じルートをスノーシューを履いてタウシュベツ橋梁まで行くことを計画した。
        この写真は、そのスタート地点の様子である。
        片道約4[km]なので1~2時間程度で橋まで行くことが出来るだろうと考えながら1歩ふみだしたところ、スノーシューを履いた足が足の付け根と膝の中間辺りまですっぽり雪に埋まったのである。
        雪が柔らかすぎてスノーシューでも太刀打ちできない状況であった。50[m]ほど雪の中をもがくように進んだが、これを4[km]に渡って続けると遭難しかねないので、ここから橋に行くことはあきらめざるを得なかった。
    
 
 
    
    
        3度目の挑戦が失敗し車の中でコンビニおにぎりをほおばりながら、どうしたものか途方にくれていた。
        そんな時、凍った湖を歩いて橋に行くことができると記載していたインターネットのサイトを思い出し、その入り口を探すために、わかさぎ釣りの人が出入りしている場所まで移動することにした。
        森から湖へ抜ける道は、わかさぎ釣りの人たちに踏み固められていたのですぐに見つけることができ湖までは容易に到達できた。
        この写真は湖上からタウシュベツ橋梁を撮影したものである。中央付近に小さく写っているのが見えるだろうか。そして天気の悪さがお分かりになるだろうか。
        湖面が雪で覆われていて先人の歩いた道が分からず、さらに視界が悪く先を見通せない状況で湖を横断すると水中に転落しかねないと思い、このルートも諦めざるを得なかった。
    
 
    
    
        3度目の敗北を認めるまで、だいたいこの写真を撮影した場所を起点に30[m]ほど橋へ向かってはまた起点まで戻るを数回くりかえしていた。
        橋に近づくほど危険度の認識が高まり、そして30[m]進んだあたりで断念し引き返す。そして起点に近づくにつれ敗北してなるものかとの思いが高まり、また橋に向かって歩き出すのである。
        わかさぎ釣りの人たちのテントが見える。
        もしかするとキャンプしている強者もいるのかもしれない。
    
 
    
    
        このような次第で何も果たせぬまま宿泊地の帯広まで移動した。
        途中、上士幌~帯広間の直線道路は、横殴りの強風の上に磨きこまれたアイスバーンと相まってまっすぐ走行するのが困難な状況であった。
        実際、道路わきの木に突っ込んで間もない車を見かけることができた。
        この写真は、JR帯広駅前のJRイン帯広の窓から撮影したものだ。
        持参したPS VITAでゲームをしたりベットの上でごろごろしながらTVを見たりしながら時間をつぶしている内に寝入ってしまった。
    
 
    
    
        翌朝、帰り道沿いに幸福駅があったので立ち寄った。
        幸福駅に来たのは初めてであるが、旧駅舎と汽車が数両あるだけで他は何も無い。
        3度目の挑戦が失敗に終わった私に幸福など無かった。
        と、ここまでが失敗の履歴である。
    
 
2013-03-11(月) 成功編
    
    
        インターネットでタウシュベツ橋梁へ行く方法を調べていた時に橋までのツアーが行われていることを知った。
        既に3度の挑戦が失敗しているので単独行はあきらめてツアーに参加にすることにした。
        ツアーは
NPOひがし大雪自然ガイドセンターが主催している。
        ガイド1名、私を含めた観光客が4名であった。
    
 
 
    
    
        湖の中央付近の氷が薄くなっているそうで橋まで真っ直ぐに進むことが出来ない。このため氷に問題のない場所を通り対岸へ渡り、そこから橋を目指すことになった。
    
 
    
    
        ここ糠平湖(ぬかびらこ)は発電用ダムによる人造湖である。
        冬、氷が張った状態から発電等により水位が下がると切り株の上に氷が残り、このような造形となる。
        極端に水位が変化する自然湖なら同じ現象となりうるが、そうでなければ人造湖固有の現象である。
        
        Wikiによるとこの切り株はダム建設の際に切り倒された木の切り株らしいが、なぜダム建設で木を切り倒したのかは謎だ。
     
 
    高画素版はここから
    対岸に到着した。ここからは、もともと線路の通っていた丘陵を通り橋へ向かう。
 
    
    
        そして到着した。
        この角度からだと、橋らしい橋に見える。
    
 
    
    
        最も崩落が進んでいるように見えるのがここだ。
        来年の今頃には崩れてしまっているかもしれない。
    
 
    
    
        森を背にして湖を向いた方向から撮影しているが、逆方向(湖を背に、森を向いた方向)は氷の状態が悪く行くことができなかった。
    
 
    
    
        橋の周りには足首の高さほどの柵が巡らされていて近づけるのはこの距離までだ。
        表面がざらざらしていて砂利を積み上げたように見えるが、本来はアーチの底の部分に見えるような平らな面だったのだろう。
    
 
    
        
    
    
        スマートフォンのカメラで撮影した動画だ。
        冒頭、少しだけガイドの声が聞こえる。
    
 
    
    
        橋を背に、森側を撮影。
        右側にタウシュベツ川が流れている。
    
 
    高画素版はここから
    中央より少し左の2名は私と同じ観光客で、右の1名がガイドである。昨日もガイドで来ていたそうである。そして昨日の吹雪の中でサングラスを落とし、今日は落とした辺りの雪の中を探していたが見つけられなかったようである。