VX-7(やVX-8D)を用いたポータブルAPRS/I-Gate return
アマチュア無線の電波が届く範囲にデジピータもI-Gateも無いが携帯電話は通じるような場所で、スマートフォンのAPRSアプリを用いず、あくまでアマチュア無線でAPRSを運用するためにポータブルAPRS/I-Gateを作った。本ページはその覚書である。
 
機材一式
写真 説明
VX-7本体とアンテナ、マイクアダプタを準備する。
マイクアダプタはヤエス純正のCT-91でも、ICOMのOPC-2132でもよいが、ケーブルが二股のCT-91よりも1本のOPC-2132のほうが見た目が良い。

通信に用いる周波数は本I-Gateの趣旨から標準(144.66MHz)以外の広帯域データ帯で行う。

スマートフォンで撮影した写真なので写りが悪いことはご容赦願う。


VX-8Dを使用するなら、CT-131も必要だ。この場合、VX-8D→CT-131→CT-91(またはOPC-2132)の順に接続する。
このほか、CT-M11で後記するDIF-3Lと直結するケーブルを作成することもできるだろう。
(結線はVX-8Dのマニュアル「パケット通信に使う」と、DIF-3Lのマニュアル「4.コネクターの説明 DATAコネクタ」の章を参照)
なお、VX-8Dに内蔵されているAPRS機能は一切使用しない。
(2016年2月10日追記)

旧スプリアス規格のVX-7でも、JARDのスプリアス確認保証を受けることで使い続けられる。
このほか、メーカによって新スプリアス規格を満たしていることが確認された無線機は総合通信局への届出により使用し続けることもできる。
なお、この届出はJARDのスプリアス確認保証の届出と一緒には行えないので、JARDと総合通信局のそれぞれに届出を行わなければならない。
私のIC-7000Mの延命は、こちらのブログがなければ無理であった。
(2017年2月15日追記)




RadioOperator.jp
テクニカルシャックのDIF-3LとDATAケーブル、RSケーブルが必要である。
DATAケーブルはテクニカルシャック社にVX-7用として注文したところ2520円であった。(2011年12月の価格)
RSケーブルはここを参考に自作した。(DINコネクタの図がコネクタ面なのか後ろから見た図なのかは失念してしまった)

DATAケーブルやRSケーブルは、コネクタ類を常備しているか、または送料をかけずに入手できるような場合を除き購入したほうが安上がりだろう。

この構成の通信速度は1200[bps]である。9600[bps]はデコードできず通信できなかった。
USBオーディオ変換ケーブル(1本)、およびこれとDIF-3Lをつなぐ3.5mmステレオミニケーブル(2本)。
オーディオ変換ケーブルにはバッファロー(BSHSAU01BK)を使用したが他の製品でも問題ないだろう。
さらにステレオミニケーブルはモノラルケーブルでも問題ないだろう。
(短いモノラルケーブルが無かったので短いステレオケーブルを使用した)
RS232C(シリアル9ピン)USB 変換ケーブル×1本。
COREGAのCG-USBRS232を使用した。ケーブルによってはPTTの制御を行えない物があるが、購入し使ってみないことにはわからない。なお、CG-USBRS232はPTTの制御を行えた。
使用されるパソコンのOSに対応した物を選択しよう。
2ポートUSBハブ(1個)。
USBオーディオ変換ケーブルとRS232C-USB変換ケーブルを接続するので、最低でも2ポート必要である。
邪魔にならないように2ポートハブを選択したが、ポート数がこれより多い分には問題ない。
パソコン(1台)。「ポータブル」にするためタブレットPC(Iconia W4)を使用した。
写真はACER社のサイトから無断借用した。

OSはWindows8.1(32bit)で、AGWPEとUI-View32をインストールした。
さらに、このパソコンは何らかの方法でインターネットに接続できなければならない。

Windows10(32bit)でも動作を確認できた。
ただし、理由は不明であるが上記のUSB機器を接続した状態でタブレットPCを起動しないと、サウンドカードは認識されるが音声の入出力を行えなかった。
(2017年6月11日追記)
Creators Updateを適用したところパソコンが起動しなくなってしまったのでWin8.1に戻すことにした。(2017年6月28日追記)
Win8.1にCreators Updateを適用したところAGWPEもUI-View32も正常に動作するようになった。(2017年7月6日追記)

運用上の注意点として、タブレットPCで動くWindows8.1は、画面をOFFにする=サスペンドとなりUI-View32も停止してしまうので、InstantGoといわれる機能を無効にして、サスペンドせずに画面だけをOFFにできるようにしなくてはならない。
スマートフォン(1台)。OSはAndroidでもiOSでもよい。ここではSH90Bを使用した。
写真はSHARP社のサイトから無断借用した。

タブレットPCをインターネットに接続するためにスマートフォン(のデザリング機能)を利用しただけなので、スマートフォンではなくLTEモバイルルータでも良いだろう。
また、パソコンを有線でインターネットに接続するならスマートフォンは不要である。
I-Gateだけでは確認を行いにくいので、確実にAPRSが動作する機器を用意するのが良いだろう。
私はKenwoodのTH-D72を使用した。
写真はKENWOOD社のサイトから無断借用した。
次はUI-View32の設定だ。基本的な設定は、先にリンクした内容を参照してほしい。ここでは、私がI-Gateとしてどのような設定を行ったのかを記す。
設定画面 説明
本I-Gateで直接受信した信号だけをローカルとして認識するように『Max digits for local』は0にする。
2つの項目とも、チェックOFFでよいだろう。
UI-View32でNAVITRAのデータを扱うときに指定するらしい。
ここは指定無しでよい。
機能の詳細は理解していないが、不具合があるらしい。
APRSサーバからRFへ本サーバがGateするパケット数の上限を指定する。
上から順に1,2,3分毎の上限値を示し、左列が非ローカル局宛て、右列がローカル局宛である。
本I-Gateは、後記する『APRS Server Setup』で自局以外の情報をAPRSサーバから取得しない設定を行うので左側(非ローカル局宛)は任意の値でよいだろう。
(と、いうか初期値から変更していない)
AGWPEを使用するので、『Host mode』はAGWPEを選択する。
本I-Gateは受信したパケットをAPRSへ流すことを目的にしたポータブル仕様なので、ビーコンを発しない設定とした。
ただし、Callsignは正規の値を、LatitudeやLongitudeは自宅以外の場所を指定した。
デジピータにはしないので、『Enable digi』はチェックOFFにする。
その他は初期値から変更していない。
初期値のままでよいだろう。
概ねUI-View32の画面表示に関する設定である。
ポータブルI-Gateとして用いるにはいくつか不要そうな項目もあるが、ひとまず左の図の設定にした。
Serverの追加方法は先のサイトを参考にしてほしい。
(4.Setup->APRS Server Setup APRSサーバー・IGATE用の設定)

この項目の注意点はポート番号を『14580』にすることである。
このポート番号を指定することでAPRSサーバに『Extra log-on text』で指定したフィルターを効かすことができる。

『Extra log-on text』には、『filter p/』に続けてあなたのコールサインを指定する。
コールサインがJX1XXXなら、『filter p/JX1XXX』になる。
この指定を行うとAPRSサーバは、JX1XXXに関する情報だけをUI-View32へ送信するようになる。
(より正確には、JX1XXXから始まるコールサインを意味する。したがって、JX1XXXのほかにJX1XXX-9等も該当する)

『APRS server log on required』はチェックONにする。

『Validation number』には、あなたの番号を入力しなくてはならない。

『Open the gateway』と『Gate local messages』の両方をチェックONし、RFとAPRSサーバの双方向通信を行えるようする。

『Max silence』に指定した時間の間、APRSサーバからデータを受信しなかったときには、APRSサーバから強制切断する。0を指定すると切断しない。
『Enable auto reconnect』がONのときは、切断後自動的に再接続を試みる動作を行う。APRSサーバとの接続が何らかの要因で不安定な場合は、0以外を指定するのが良いだろう。
(『Enable auto reconnect』をONにするのを忘れると意味がない)
TCP/IP接続はプログラムの作り方にもよるが、受信データが無いのか、何らかの理由で切断してしまったのかを区別できないのである。
APRSサーバやRFから受信したパケットをUI-View32で表示するかしないか設定するが、本ポータブルI-Gateは最初に記したとおり標準と異なる周波数を用いるので設定不要である。

設定は以上だ。
あとは周波数を合わせた無線機、ケーブル、PCを接続しAGWPEとUI-View32を起動する。 そしてAPRSサーバに接続し、TH-D72からビーコンを発し、たとえばこのようなサイトに表示されるのを確認するだけだ。
(APRSサーバに接続できないときは、数回接続を繰り返すとよい)

参考
APRS I-GATEを立ててみよう
APRSパーフェクト・マニュアル(ISBN978-4-7898-1590-1)

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